脳の一部である『前頭前野』は、脳を持っている生物の中でも特に人間が発達しているとされています。人間の場合、大脳皮質の約30%を占める巨大な領域であるのに対して、人間に近いサルやオランウータンなどの類人猿でさえも10%以下しかありません。
この『前頭前野』は、「思考」、「意思決定」、「感情制御」、「記憶」などの人間の心と密接な関係を持っている箇所で、動物としては独特で高度な機能を有しています。また、脳の各器官に情報や役割を振り分ける命令を発する部分なので、脳全体の司令塔としての役割を持っています。
しかし、この部分が衰えてくると、注意力・判断力、自制心(短気になる)、意欲、記憶力の低下がみられます。
極端な例ですが、認知症の人が物忘れが多くなる、勘違いが多くなる、怒りっぽくなるというのも、前頭前野の機能が低下しているために、脳全体の働きも低下してしまうからだと考えられています。
しかし逆を言えば、前頭前野を鍛えれば、上述した低下する部分を鍛えることができ、司令塔である前頭前野を活性化させれば脳全体が活発になるというわけです。
そこで、その前頭前野を鍛えるのに最適なトレーニング方法として『速読』があります。
前頭前野は一つの物事に集中するとよく働くという特徴を持っています。速読のように集中力を要し、文章を見、記憶するという、高度な脳処理と集中することが一緒になったものは、脳を鍛えるのには最適なトレーニング方法なのです。
脳内の働きを表すのに血流量を測るのですが、速読を行っているときで前頭前野が活発に働いている場合だと、脳全体の血流量が多くなることが確認されています。